司法書士の業務は、基本的に登記の専門家という事もあり、不動産登記や商業登記の手続きをメインで行う他、2002年の司法書士法改正により、法務省の認定を受けた「認定司法書士」は、簡易裁判所における少額の債権執行代理が可能となりました。しかし、すべての訴訟事案を認定司法書士が代理できるわけではありません。そこで、どのような業務に関して、司法書士が対応できないのかということをご説明します。

まず、2002年の司法書士法改正にとって認定司法書士は、少額の債権親交代理業務が可能になりました。この司法書士法改正によって、登記の専門家であった司法書士が、業務的に弁護士に近づいて来たということが出来ます。具体的に司法書士法改正によってどのような業務があるのかというと、「少額訴訟債権執行の代理」、「外国人帰化申請手続」、「供託手続」、「筆界特定手続」などがあります。ここでは、それぞれの分野においてご説明をします。

少額訴訟債権執行の代理

この場合、司法書士法改正によって、司法書士は140万円以下の債権について、過払い金の請求が出来るということですが、これらに基づいて下記の業務をすることが可能になりました。

  • 債権執行事案に関する法律相談
  • 裁判所に提出する書類作成業務
  • 債権者に対する督促停止要求
  • 過払い金の請求

です。よくテレビCMで司法書士が過払い金の請求をしますというような内容のものが放映されていますが、正にこの業務対する広告です。ただ、これらの業務が無制限で出来るということではなく、取扱債権額も140万円を超えることは出来ません。債権金額がそれ以上のモニになってしまった場合には、それに対する法律的な行為は一切まとめられていません。また、本件に関する申立をすることが出来る裁判所は、簡易裁判所に限定されるため、高等裁判所や地方裁判所への控訴審、最高裁判所・高等裁判所への上告審、あるいは地方裁判所における破産・民事再生などの申立ては出来ません。

外国人帰化申請手続

帰化とは、日本で生活する外国人が、日本国民になることを選択する際、必要な手続きのことを言います。外国人が日本国籍を取得するには法務大臣の許可が必要で、必要書類を提出して法務局の審査をとおり必要があり、そのサポートをするのが司法書士の役割です。具体的にはどのようなことを行うのかというと、外国人が帰化をする場合の相談や帰化する際に必要な書類の作成を行います。ただし、幾何の申請が認められない場合もあり、そういう場合に異議の申立をする場合には弁護士の業務範囲となり、司法書士は対応することが出来なくなります。

供託手続

供託とは、ある財産を供託所に提出・管理させ、ある人がそれを取得し、法律上の目的を達成したと見なす法律行為です。供託については、

  • 弁済供託
  • 保証供託
  • 執行供託

などがありますが、司法書士は供託手続きに関しては独占業務です。したがって、例えば家賃の支払いに関して賃貸人と賃借人にトラブルが発生した場合に、賃料の供託手続きは司法書士が行いますし、もし賃貸人と賃借人の間に入って解決をサポートすることも司法書士において可能です。ところが、この両者の間が更にトラブルが悪化してしまい、裁判による訴訟ということいなってしまった場合には、その紛争を解決することは出来ず、この場合は弁護士の領域になります。また、その際に訴訟金額が140万円を超えてしまった場合も、司法書士の対応出来る金額を超えてしまうため、司法書士は関与することが出来ず、こちらも弁護士の業務領域となります。

筆界特定手続

筆界特定手続とは、ふたつの異なる土地の境界線を明確にするための手続きのことを言います。司法書士は筆界特定の申請を、その土地を管轄する法務局に行うのですが、この場合その土地の評価額が5600万円以下のものを申請することが出来るとされます。したがって、評価額が5600万円を超えるものに関しては、司法書士は手続きを申請することが出来ません。